ヘルスキーパー採用支援コンサルティング

​ケーススタディ

​株式会社ミクシィ様

株式会社ミクシィ様は、2014年秋に弊社のヘルスキーパー採用支援コンサルティングを活用されて、ヘルスキーパーを採用され、マッサージルームを2015年春に開設されました。

同社会議室にて、人事部マネージャーの水本様、同部田村様、そしてヘルスキーパーの伊藤様(視覚障害者)にヘルスキーパー導入に関してのインタビューを、2015年12月に弊社田辺はさせていただきました。

人事部マネージャー 水本 敦則 様

田辺: 御社がヘルスキーパーを導入されたきっかけをお話いただけますか?
 
水本様: 以前より、ミクシィでは障害者雇用に取り組んでおりましたが、会社の成長に伴い、新たな障害者雇用の検討が必要となっていました。一方で、人事部長を兼任している森田(森田 仁基同社代表取締役社長、2014年6月就任)の方針から、「社員のモチベーション」を重視した人事施策として福利厚生の充実の検討を進めていました。この“障害者雇用”と“福利厚生の充実”の二つの検討事案がちょうど重なる部分として、ヘルスキーパーという答えがありました。
ちなみに、マッサージルーム導入前はマッサージチェアが社内に設置されていました。ただ、マッサージチェアでは、肩こりや腰痛など「仕事での疲れを回復したいな」というニーズにあまり対応できていませんでした。それであれば、マッサージチェアを置いていたエリアを活用して、本格的なマッサージで社員の疲れを癒せられるような場所があれば。少しの時間を、マッサージに費やすことで、その後のパフォーマンスが上がるのであれば、それは非常に会社にとってもいいよねという案にたどり着き、マッサージルームを作ってみようという話になったのです。
 
田辺: なぜヘルスキーパー導入のコンサルタントを必要とされたのですか? そして、コンサルタントとして当社を活用されて、いかがでしたか?
 
水本様: ヘルスキーパーの採用に当たってマッサージの専門知識を持っているスタッフがいないため、技術的な視点での採用基準を弊社内で設けることが難しいと考えていました。また、健常者の勤務を前提に作られている事業所内で視覚障害者の方を雇用するという経験がなかったため、マッサージルームの設計のタイミングで留意しておくべき事項を押さえておきたいと考えており、この辺りを専門分野としてノウハウをお持ちの方にお話を聞きたいと思いご相談させていただきました。
実際、採用面談における技術部分の見極めに関しては、ご相談していなければわからないポイントでしたので非常に助かりました。また、マッサージルームを作るとなったときに、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構への助成金申請ができるという事も、社内で全くノウハウがなかったので、サポートいただくことで円滑な申請ができました。あとは、細かいところで、「実際どういうところで困りますかねえ」とご相談をさせていただいて、我々も気づかないところの助言をいただいて、マッサージルーム開設の準備をすることができました。
 
田辺: ヘルスキーパー導入をされたあと、御社内ではどのような変化がありましたか? 職場の健康にも効果があるとお感じですか? 障害者理解の進展についても、お感じになったところがあれば、お話をお願いします。
 
水本様: マッサージルームの稼働率はすごくいいですね。毎月の平均が90%を上回っている状態で、ほぼ予約が埋まっています。肩こりや腰痛など、実は困っていたというニーズにうまく応えることができているのではないかなと思っています。
障害者理解に関しては、当初より「多様性を受け入れるスタッフが多いので大丈夫だろう」という想定は持っていましたが、「思ったよりスムーズだった」という印象です。受け入れ側としては、悪気なく何か不快な思いをさせてしまうのではないかなという心配が若干ありましたが、そういったこともありませんでした。今では、持病を持っている人、肩をこりやすいとか、腰が痛いという人には、社内の緊急避難場所みたいに使われている状態ですね。
 
田辺: 多様性を受け入れることにまだまだ躊躇してしまうオフィスワーカーも多いと思うのですが、大事と思われることがありましたら、お話をいただけますか?
 
水本様: 個人的な考えですが、人なので、得意なものと苦手なものが誰しもあると思っています。障害者の方でいうと、目が見えないからこういうことが苦手ですということであって、細かいことが苦手とか、運動音痴とかと同じなんじゃないかなと。少し拡大解釈かもしれませんが。
あと、弊社の場合、何かしら困っている人をフォローする人が、多いと思います。
 
田辺: それは、コミュニケーションのプラットフォームを作られてきたという企業文化ともつながってくるのでは。困っている人をオンラインで見つけて情報を提供してあげるような場を日本でコツコツと作ってこられた蓄積もあるのでしょうか。
 
水本様: その影響もあるかもしれないですが、今の社長の森田も、笠原(取締役会長)など経営陣をはじめ、できないことを「できてないじゃないか」と指摘するのではなく、「いいところを伸ばそう」という考え方が強いことに要因があると思います。もちろん「できてない」と指摘することもありますが、それに終わらずに「じゃあ、どう解決する?」というコミュニケーションをしますし、そういった文化がミクシィ全体としてあると思います。
ちょっとしたエピソードですが、当社のヘルスキーパーは全盲であっても業務上必要なコミュニケーションをiPhoneとノートPCですべて行っています。各種ソフトなどを使うのでそれなりに難度は高いと思います。初めは、各デバイスやソフトウェアなどの使用方法の習得や、障害者には使いにくい仕様がハードルとなり思うように作業できなかったのですが、障害を持つスタッフと、社内のシステム周りを受け持つ【はたらく環境課】のメンバーが試行錯誤をしながらより使いやすいシステム設定を行うことで一つひとつハードルをクリアしていきました。
視覚障害者のメンバーの「自分でできることは、自分でやりたい」という強い意志と、その「やりたい」と思っている熱意をフォローするというプロ意識があったから実現できたことだと思います。今では、メールやシステム上でのやりとりを見ていると、視覚障害があるとは思えないほどです。
 
田辺: 普通、視覚障害者に「会社はiPhoneだよ」と言ったら、その時点でびびってしまう人も多いかと思いますが、内発的動機というか、「ちょっとやってみようかな、サポート体制もあるし」と踏み切れる、スイッチが入ってしまう職場というのは、すごいですね。
 
水本様: そうですね。「うちiPhoneなんですけど、使ってみますか? 使えそうですか?」という感じで、「こうやったら、使えるんじゃないか」と話をしてみて、「では触ってみます」「やってみたら、こういうところができなかったです」 それを、【はたらく環境課】のメンバーが懇切丁寧にサポートをしていきました。

田辺 : 御社の強さを垣間見た気がいたします。ところで、採用されたヘルスキーパーの方々についてのコメントをお願いします。
 
水本様: 弊社では2名のヘルスキーパーが在籍していますが、両名ともとにかくはたらくことが好きですね。それぞれ少しずつタイプが違っていて、もっとたくさん働きたいというスタッフと、もっと良いサービスを提供したいというスタッフがいます。
たくさん働きたいというスタッフに関連したエピソードを紹介しますと、マッサージルームの導入初期は、試験運用なので、本人の負荷も考えて時短勤務という話で進めていたのです。でも働きだしてから、ひと月くらいでしょうか、「もう一時間伸ばして働きたいです」という申出がありました。マッサージは身体を酷使する部分があるので、本人の体調を見ながら、相談しつつ業務時間を延ばしていき、いまでは、いわゆるフルタイムの8時間勤務になっています。
もう一人のもっと良いサービスを提供したいというスタッフは、とにかくマッサージを受ける人の気持ちを重視しています。例えば、「マッサージでうつ伏せになった時の姿勢が今の設備だと苦しいんじゃないかな」と、社内の誰からも声が出ているわけでもないのに、ヘルスキーパー本人が、「自分がやっていてそう感じる」ということから、何かできないかという話を相談したり、設備の内容を少し工夫するなどしていました。そのほかにも、細かいところでは、マッサージルームの入り口に自発的にクリスマスツリーを飾ったりとか。「マッサージを受けに来た人の気持ちを大事にしたい」という話を本人はよくしていますね。

ヘルスキーパー 伊藤 竜真 様

田辺: ヘルスキーパーご本人から、御社で働くことになったきっかけや、仕事のやりがいなどについて、お話をお願いします。
 
伊藤様: 働くことになったきっかけですが、学生のころからヘルスキーパーで働きたいと思っていて、求人票を見ていたところ、ミクシィがありました。私もSNSを結構利用しておりまして、何かの縁かなと思って、応募しました。
 
田辺: 試行錯誤されたことはありましたか?
 
伊藤様: ヘルスキーパーの仕事は私にとって初めてだったのですが、前職で訪問マッサージをしていましたので、使っていたノウハウを利用してやっていきました。マッサージルームの稼働率もかなり高く、職場の先輩のヘルスキーパーからの意見も聞きながらやっていった感じですね。訪問マッサージ時代で必要とされるノウハウと、オフィス環境で必要とされるノウハウで違いがあり、変えていきました。前職の訪問マッサージから活かせたのはコミュニケーション能力です。前の会社でもいろいろな方と接しました。一方、ちょっと違ったのは、マッサージのやり方です。前職ではお年寄りへのマッサージをしていたので、弱もみにしないと骨を折ってしまいます。ミクシィに入社して、マッサージの力加減を変えていく必要がありました。
 
田辺: ツボの命中率を上げていくなど、マッサージ技術の向上では、どんなことをされてきましたか?
 
伊藤様: パソコンをかなり使う職場であり、中には筋肉がかなりこっている人もいて、「指が入らないばあい、うまくひじを使いなさい」との指導を先輩マッサージ師からいただきました。
 
田辺: マッサージは一生の仕事ですし、長く仕事できるようにしていきたいですものね。ところで、ヘルスキーパーになりたいと思っている視覚障害者の方々にお伝えしたいメッセージがありましたら、教えていただけますか? とくに「自分はヘルスキーパーに、なれないんじゃないか?」と思っている方にも、お伝えをお願いします。
 
伊藤様: 私は前職が訪問マッサージで、オフィスでのマッサージでは違うのではないかと聞かれることもあるのですが、根本は同じです。自信を持っていいと思います。自分の技術に自信を持つことですね。
 
田辺: 自分の技術に自信がありますというためには、研修に行くなど、自ら求めていく姿勢は、求職中も大切ですね。
 
伊藤様: はい。
 
田辺: 御社での仕事で、マッサージルームに見える方々とのコミュニケーションで、紹介できるエピソードがありましたら、教えていただけますか?
 
伊藤様: 本当に最近のことなのですが、「お時間があったら来てください」とお伝えしたところ、「頼りにしています」と伺い、すごくうれしかったなというのがあります。心にジーンと来たというか、かなりうれしかったです。
 
田辺: 働く人の健康を進めていく上で、マッサージがどう役に立つとお考えですか?
 
伊藤様: マッサージで体をほぐすだけでなく、やはり今はストレス社会でもあるので、マッサージをしながらお話を聞いてあげるのも、一つなのかなと思っています。
 
田辺: 他にも、読者の方々へお伝えしたいことはありますか?
 
伊藤様: 「マッサージをしてあげるのではなくて、受けてもらう」という考え方が大事だと思います。私たちマッサージ師は「してあげる」だと温かみがないというか。逆に「受けてもらう」ですと、向こうから来ていただく感じなので、温かみがあるのかなと思います。
 
田辺: 受けるご本人が中心にあるということですね。そこを仕事の核にされているのは、大事なことですね。

田辺: ヘルスキーパー導入を検討中の企業ご担当者へのメッセージをお願いします。
 
水本様: 業態にもよると思うのですが、弊社のような会社は比較的パソコンでやる業務が多いので、思っている以上に、肩こりや腰痛がひどい人が多い。そういった人たちに「会社にマッサージルームがある」というのは非常にプラスになると思います。障害者雇用の観点で見ても、ヘルスキーパーはスペシャリストであり、マッサージ国家資格も持っていますし、マッサージ専門の職業として仕事をするというプライドもお持ちですので、それを福利厚生として導入することでウインウインの関係性を作れる。障害者雇用としてもいい形態なんじゃないかなと思います。マッサージ国家資格がある方々は「マッサージルームを自分で運営するんだ」という強い意志もあり(うちはそういうメンバーがたまたま多いのかもしれませんが)、自発的に運用を作っていくとか、改善していきたいというのがあるので、協力関係をつくりやすいです。
 
田辺: 御社の福利厚生や社会貢献に関心ある方々へ、ぜひメッセージをお願いします。
 
水本様: 福利厚生や人事制度によって社員のモチベーションをどう維持・向上するかは非常に重要な要素です。その先に、より生産性の高い組織が作れると思っています。そのために人事制度の変更といった大きく仕組みを変えるような施策もいいとは思いますが、福利厚生によって、社員のモチベーションのアップをねらい生産性を上げるということはできると思います。あと、社会貢献というほど大それたものではないかもしれませんが、マッサージルームの導入によって視覚障害がある人が社会生活する上で、ヘルスキーパーとして就業するという一つの選択肢を企業から提案できます。企業にとっては福利厚生の充実によって、社員の生産性を上げることができます。実際に弊社が取り組んでみて感じるのですが、この取組は悪いことがあまりないんです。社員には癒しの場ができる。癒しの場で休憩した後、生産性が上がる。その場を作るために障害者にとってはそこに働く場所ができるんですね。
それから余談ですが、弊社の場合、社長もマッサージルームを率先して使っています。「自分が使わないと良いも悪いもわからないから」とよく話をしています。
 
田辺: それは成功のキーファクターの気がします。「社長がマッサージルームに行かないのに我々が行っていいんですか」という企業もあったりします。トップが率先してマッサージを受ければ、社員の方々もマッサージを受けやすくなります。社員の皆様もフォロワーになっていかれます。結果として、健康経営を追求できるのみならず、健常者と障害者という社員同士の交流が進み、職場のダイバーシティも一層促進されていきます。

今回、インタビュー、そして原稿の確認に、師走でご多忙極まる中、お時間を割いてご対応をくださり、重ねて、水本様、田村様、そしてヘルスキーパーの伊藤様に御礼を申し上げます。

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